赤い華 23

あれは


今から　13年前のことだった・・・








中学3年生に　なったばかりの頃


学校の校庭で　友達と　


バドミントンをして　遊んでいたとき


ある女性から


声を　かけられた





自分の母親よりも　


明らかに年上のその女性は


芸能事務所のスカウトらしかった





”可愛い顔をしている”とか


”スタイルもいいし”とか


”歌や演技に　興味はあるか？”とか


色々聞かれた


歌は好きだったけれど


芸能界なんて　全く興味のない自分に


”もし良かったら　おうちの人と一緒に見に来たら？”と


名刺を渡されて


全く　疑う余地のない


優しい言い方で　誘われたんだ





親と一緒になんて


思春期の俺には　こっ恥ずかしくて


絶対に　嫌だったから


仲のいい　友達を誘って


その事務所主催の


ダンスバトル大会を　見に行ったのが最初


将来を　芸能界で　活躍したいと願う


若者たちで


ものすごい熱気だったことを　覚えている





初めて見る世界


中には　自分よりも若いと思われる子たちもいて


真剣に見守る　親や兄弟の姿が　たくさんあった





毎週日曜日に　行われる　その大会は　


歌の大会と　ダンスと　交互だったり


両方だったり


見ているだけで　楽しめたからか


一緒に行った友達の方が　夢中になり


受験もないし


塾も 日曜休みだったし で


毎週　友達と　見に行くことになってしまった


まあ　嫌じゃなかったからなんだけど・・・





数回　見に行ったとき


俺に　最初に声をかけてきた女性に


また　話しかけられた


”近くの事務所の練習室に来ないか？”という誘い・・・


行ってみると


ダンス大会の出演者と　


事務所所属の若い練習生たちが


汗を流して練習している


空気が　凄く熱い場所だった


生半可な気持ちでは　ここにいては申し訳ないような


そんな気分にさせられるほど


若者たちの目は　ギラギラ　キラキラしていたんだ





発声練習や　基本のダンス練習


小1時間ほど　見学をして


その日は　帰った


見学をするときに


念のためにと


名前と連絡先を　書かされたのは


10名ほど・・・


怪しいところなんて　これっぽっちもない


健全な場所





”君たち　見学？”


”練習は　厳しいけど　楽しいよ？”


休憩時間になると


そんな風に　声をかけてくれる練習生もいたし


今まで　見たことのない世界に


友達も俺も　すっかり夢中になっていた





中には


”俺たちは　見世物じゃねぇ！”　みたいな


感じで　睨んでくるヤツもいたけど・・・


毎週見に行くことが　


密かな 楽しみになっていた





数回　チャンミンの回想録が　続きます

写真集妄想が 止まらなくて爆発中！

太陽も TIAMOも アレだったからね





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